そして特撮オタクは赤い雨に降られる

 

そう、観たのです。レッドレインを。

レッドレインのためにブルーレイプレーヤーを買いました。

LDHが経済を回す」という言葉はこういう事なのか…と思いながら買いました。

循環ってます循環ってます

 

     

 

 

 

 

 

※以下ネタバレありの感想

 

 

     

 

  

 

 

レッドレイン。

赤は血の色である。そしてキリスト教における赤は、贖罪、救済、愛を指す色だ。

雨は恵み。浄化。旧約聖書では神は正しい人間とされたノアの一族とすべての生き物のつがいをノアに方舟に乗せさせ、それ以外を洗い流し淘汰するために7日7晩ものあいだ雨を降らせて地上を洗い流した。

 

タイトルにもある通り、雨が印象的な映画だった。

親が死んだとき。

尊龍が死んだとき。

雨宮兄弟が何かを失うとき、彼らの感情に呼応するように大雨が降っていた。

 

ザムービーでは琥珀さんの涙は熱い火花だった。
この映画では兄弟の涙は冷たい雨だった。
雨を嫌う兄弟の名字が雨宮だなんて、なんて皮肉なのだろう。

 

雨に打たれ、尊龍から流れ出した血が地面を赤く染めるシーンは悲しくも美しく、弟たちへの愛や巻き込んでしまったことへの贖罪、

そして真実を知ってもらえたことで尊龍の魂が救済されたことを表していた。

赤は血の色、血は縁、縁は絆、家族の絆の物語。それがレッドレインだと感じた。

悲しみの涙は雨となり地面を濡らす。雨が染み込んだ地面は乾いたときに今までよりも強固なものになる。雨宮兄弟の絆は雨が降るほどに強くなるのだ。

 

この映画でも今までの作品に負けないくらいに映像が美しかった。

海外ロケで異国の雰囲気を漂わせながらも、今までのストーリーから矛盾や違和感を感じさせない説得力。

雨が降っていないシーンでもガラスの破片がまるで雨の雫のようで、思わず息をのむ荒々しい美しさもすごかった。

個人的には開始早々の暗い部屋での乱闘シーンが好きで、暗い部屋・黒い衣装での映像が単調にならないようにインテリアに電飾が施されていて、画面にメリハリをつけつつ現状の把握がしやすいように作られていたのが感動した。

(日本人は欧米人などに比べて鳥目というか、暗い映像がより真っ黒に見えてしまい見辛いらしい。知ってか知らずか、そういうところへの気遣いがすごい)

 

ザムービーを観たあたりで、フォロワーさんから「レッドレインはゼロレンジコンバットがすごいので楽しみにしててください!」と教えていただいていたのでそこもとても楽しみにしていたのだが、初めて耳にするアクションスタイル、あえて何も予習せずに観ることにした。

ハイローの戦闘シーンは基本的にケンカだ。とにかく殴る蹴る、拳と拳での語り合いが多い。

ただ今回は相手がカタギじゃない。拳銃を持っているのだ。普通に考えたら生身の人間が拳銃に勝てるわけがない。発砲されたら終わりだ。

だが劇中雨宮兄弟が使用したゼロレンジコンバットは、ゼロ、つまり間合いをなくして相手に密着することで隙をなくして効果を発揮する最強の素手の武術だった。

基本はカウンター、相手の力を利用して行われるその戦法は、目の前にあるものをなんでも利用してしまう。

ジャッキーチェンの映画を見たことがある人なら、迫り来る敵のジャケットを引っぺがして拘束し、突き飛ばし倒してしまうというシーンを一度は見たことがあると思う。

そんな感じで目の前にある条件をすべて攻撃に展開していくのがゼロレンジコンバットの面白さだ。

MGSでスネークが使う接近格闘CQCのようなもの、と言えば私のようなオタクでも分かりやすいと思う。

華麗に確実に最小限の手順でベストな攻撃をする。攻撃は最大の防御となる。相手がいくら銃を持っていても無意味だった。かっこよすぎる。ヤバイ。

銃と素手で渡り合うなんて超能力者でもないと無理でしょ〜、ハイローついにサイキックも出しちゃう感じ?とゆるく考えていたら度肝を抜かされた。

 

また、雨宮兄弟のふたりは(当たり前だが)ダンスに長けていて、とくに広斗なんかはただ歩くだけでも肩で円を描くようにリズミカルに歩くし、アクションのすべてがダンスのようだった。

2人とも躍動感やリズムやテンポが良くて、すぐに引き込まれてしまう。そもそも難易度がめちゃくちゃ高い武術のはずなのに持ち前の柔軟性で軽々とやってのけている姿がもうとにかくすごかった。いきなり語彙力が100中4くらいまで下がった。

片手で銃をバラして捨てながら歩いていくシーンもシビれたし、普通は銃を奪ったら次はその銃を自分たちで使って戦うのに、兄弟は尊龍の「大切なものを守りたいなら拳を使え」という教えを守って最後まで素手で敵を倒し続ける姿も最高にかっこよかった。

いくら仇を憎んで殴って血を流しても尊龍は生き返らないのを知っていてなお、最後まで兄弟の誇りと絆のために戦うふたり。ほんとうに美しい。

それと前々から雅貴が広斗に対して自分のことを「お兄ちゃん」と言うのブラコンぽくてかわいいなーと思っていたのだが、本作を観たことで血が繋がっていないからこその決意というか、本当の兄として振る舞いたいという想いからなんだろうなと思うと尊すぎてカァ〜〜〜〜!となった。すごいや…なんかほんとありがとう…

しかも大規模な海外ロケで今までと全く違う景色を見せてくれたことで世界観がさらに広がった。レッドレインありがとう。LDHほんとうにありがとう。永遠に栄えてほしい。ハレルヤ

 

 

これで私のハイローの旅は一旦休憩となり、夏はいよいよ他のファンの方々と同じタイミングで劇場でハイローに触れられる。

楽しみで仕方がない。

私をハイローに引き合わせてくれたフォロワーさんには感謝しかないし、人生の光が増えるということのすばらしさをこの歳になって再確認できるということがありがたくて仕方ない。

 

 

次はどんな光に照らされるのだろうか。

限界知らずの男たちの底なしのパワーにこれからも惹かれていきたい。