特撮オタクはハイアンドローザムービーを観ました
オッス!おらニート!
4/15にハイアンドローと出会い、実質3日でドラマを完走し更にもう一周とお気に入りの話を3回見直して、4/20にザムービーをiTunesでレンタルした。
期限まで時間の許す限り何回も観直している。コマ送りで楽しんだりもしている。
何にも縛られないのが無職の強みだ。ちなみに口座の残高には縛られている。
ブログを公開してから色んな方に「ザムを早く観てください」とオススメしていただいたおかげで、かなりスムーズにここまでたどり着けた。
ハイローの民のみなさま、ありがとうございます。おかげでいま私はホワイトラスカルズにケツ持ちされるべくせっせと筋トレをしています。
ザムービー、今までで観た映画のなかでもトップクラスにおもしろかった。
2時間の枠の中ですべてのキャラクターの魅力を最大限にひきだし、テンポよく緩急もつけつつ、また展開は(もちろん良い意味で!)王道ともいえるもので、期待を裏切られることがない2時間だった。
ドラマでもかなりスケールの桁違いな(普通なら映画クラスの)アクションをやっていたが、映画のスケールは更にもっと桁違いだった。
てか何あれ…????
あまりの壮大さに脳が処理をやめてしまったのでバカ丸出しの感想で申し訳ないが人間って本当に想像以上のものを目の当たりにすると普段の3倍ぐらいバカになるので許してほしい、
で何あれ????????
役者がノーヘルでバイク運転、マッドマックス、ボンネットドライブ、縦にも横にも奥にも広がるセット、数百人規模の大乱闘、空を飛び縦横無尽に走るカメラ、画面のどこにも緩みがない画、容赦ない喧嘩、あれどうなってるんですか…?日本ってあのレベルの映画が作れたんですか…??
今までなんとなく抱いていた、邦画の「すごく頑張ってるし面白いけどどうしても規模がこじんまりとしてるんだよね」というイメージがごっそり塗り替えられてしまった。どういうことなの?
1回観ただけじゃあの膨大な情報量の映像にパニックになることが多すぎて脳が処理がしきれないぐらい、とにかくかっこよかった。
まあ膨大な情報量とはいえ、その情報はすべて「いろいろな角度やアプローチからのかっこよさ」なのだから、かっこよかった…という感想で大正解なんだとは思う。
これから観るつもりの人がいるかもしれないのでネタバレにならないように詳しくは書かないが、内容としてはニチアサのオタク向けに言うと「スーパーヒーロー大戦」で間違いない。
本郷猛がショッカー軍団を引き連れてやってきたところを後輩ライダーたちが全力で引き止める、そんな感じの内容だ。大好きなパターン!わかる!!!!(絶叫)
この映画で度肝を抜かされたポイントは、っていうか度肝を抜かれずに済んだところがほとんどなくずっと抜かれっぱなしなので、その中でも特に印象に残ったところの感想を書く。
まず、ガチで役者に運転させているところ。今どき役者に運転させることってあんまりないのでは?しかもノーヘル。
その条件なら普通なら危なすぎるので台車にバイクを乗せて引っ張るとかそういう方法で運転してる「風」にするが、あれ、気のせいじゃなければ本当に運転を…して…いる…すごいな…すごい……
達磨の、というか日向のドライブスタイルについてはもう何も言うまい。最高です。よくぞやってくれました。感謝(すぐ感謝するオタク)
喧嘩のシーンのバリエーション。ドラマでもそうだったが、殴り合いだけでワンパターンな絵面になりがちな喧嘩のシーンを様々な演出で画面にインパクトを出している。
今回の映画で好きなのは前半のルードボーイズ戦。酒瓶の破片が散乱する場所での乱闘。敵がルードボーイズのメンバーたちに容赦なく瓶をぶつける様子は一見残酷だが、スローモーションで砕け散る瓶の破片は息を飲むぐらい華やかに映える。まるでダイヤモンドのようだった。
スポーツドリンクのCMなどでもイケメンの汗は爽やかさを感じさせるが、イケメンとガラスの破片もそれに負けないくらい美しかった。
発見した人にノーベル賞をあげたい。私がノーベルだったらあげてる。
また、瓶の割れる高い音は人間を本能的に緊張させる。効果的なスローモーション、響く怒号、出血、荒々しい画にパリンパリンと高い音が鳴り、破片がキラキラと輝き画面を飾る。観る側にも臨場感を与える仕掛けが満載だった。
そしてワンシーンにつき長くても3分くらいで切り替えているところ。ここも凄いと思った。
ほぼすべての人間の集中力は3分が限界と言われている。そして10分で飽きてしまうとも。
ザムービーは約2時間の枠のなかでしっかり緩急をつけて話を進めている。緊迫したシーンの後には必ず笑えるところを作り、大切なところで集中力が途切れることがないようにうまく構成されている。何回観ても飽きない秘密はこういう仕掛けにもあるのではと感じた。
ザムービーの話のメインは琥珀さんの孤独と闇だ。season2で龍也さんがムゲンを辞めてITOKANを作ってから、どんな賑わっているシーンでも琥珀さんだけは1人で画面に映っていることが多かったように思う。
龍也さんとの時間を永遠にするために作ったムゲンが龍也さんを殺した。居場所を大切にしたばかりに居場所を作ってくれた人を失った。
龍也さんとの思い出を守ろうとすればするほど琥珀さんは孤独の闇に堕ちてゆく。
九十九さんはそんな琥珀さんの一筋の光であり続けようとした。他の人にどう思われようとも、他のすべてを壊しても、龍也さんの願い通り、琥珀さんにとって最後の依り代でいようとした。
九十九さんのセイントぶりに涙が止まらなかった。そもそも九十九さんをセイントにしたのは琥珀さんで琥珀さんをセイントにしたのは龍也さんの存在もあってのことなので龍也さんは創世の父みたいな存在である。慈愛の神だ。
でも皆とても不器用で、言葉にして想いを伝える方法を知らない。拳で語り合うことしかできない。フォーゼでいうところの友情握手が全部殴り合いのようなものだ。
でも拳で築く信頼関係と絆は言葉よりも重く、なによりも太く、ちぎれない。そんなアツいドラマなのだ、ハイロー。
クライマックスの琥珀さんが泣くシーン、暗いステージに火花がたくさん落ちて散っていた。あの火花は琥珀さんの涙なんだなと感じた。
誰よりも情熱家で、誰よりも絆や居場所を大切に思っていた琥珀さん。龍也さんと作った居場所を守れなかった自分に怒るあまり自暴自棄になっていた。そんな琥珀さんの涙を火花として表現した演出が本当にすごい。
喧嘩のアクションについては以前のブログに書いたが、映画ではさらにパワーアップしていた。まず何に驚いたかって、スタントダブル、つまり役者の吹き替えでアクションスタントをする人がたったの7人しかいないのだ。あの規模で。(余談だがその中に私が宇宙で一番好きで一時期追っかけていたアクションマンの方がいる、感謝)
つまりほとんどは役者自身があのシーンをやり遂げていて、あの映像の仕上がりになっている。もちろん大群の中にアクターさんもいるけど。
みんな、ただの役者じゃない。ただの脇役でもない。恐ろしいくらいに精鋭揃いだ。
何度も繰り返して乱闘シーンを見たが、顔以外には本当に蹴りなどをしっかり当てていたり、カメラの振られるタイミングでガラスの破片を飛び散らせながら飛んだり。
ワイヤーもまったく不自然さがない。役者の身体能力に説得力があるからだ。
役者もスタッフもこの撮影のためにどれだけ緻密に準備していたのか、想像もつかない。
2016年のジャパンアクションアワードで発表されたベストアクション賞、その7つの項目のうち、ハイローのドラマが「作品賞」「監督賞」「シーン賞」の三冠を獲ったのだが、映画は更にスケールをパワーアップして作られている。
観たことがない同志、どう!?観ませんか!?観よう!!
ドラマではどんなに喧嘩してもそこまで役者の顔に傷や血糊はべったり付かなかった。そこはやっぱりイケメンを売りにしているし、あんまりショッキングな感じに仕上げてもなあ…というのがあったからかもしれない。
season2で入院のシーンがあったとき、この世界にも入院という概念が存在するのか!と思ったくらいみんな丈夫だった。
映画は容赦なかった。特に終盤のシーン、コブラとヤマトはボッコボコだった。それは琥珀さんという最強の存在の強さの度合いを示し、どれだけの死闘だったのかを表現するのにめちゃくちゃフィットした。
ここまで傷表現を取っておいたのか!?と思うくらい差があった。傷ひとつでここまで考えることがある作品も珍しい。そのくらいこだわりが詰まっているのだ。
ところで、ハイローはライダーや戦隊の特撮番組に出ていた俳優が結構出ている。夏の映画に追加で発表されたキャストも特撮俳優が多かった。
特撮仲間のフォロワーさんたちが俳優さんをきっかけに続々とハイローを観てハマっていくなか、私は変身前というより変身後のメットとスーツ姿のほうが好きなタイプなので、経験が活かせる仕事がきてよかったね〜くらいで終わってしまっていた。
というのも、ぶっちゃけ私は人の顔があんまり判別できない。顔を覚えるのがめちゃくちゃ苦手で、友人の顔も5〜6回会ってやっとなんとなく分かるようになるくらい。ついでに名前も覚えるのが苦手なので人付き合いに向いていない要素が揃いまくっている。つらい
学生時代はもっと酷くて、クラスメイトに話しかけられても最初の3ヶ月くらいは誰なのか分からなかった。体臭で嗅ぎ分けるという力業で乗り切っていたぐらいだ。犬かよ。
だから大所帯もののドラマは苦手だった。顔が分からないから話に入り込めない、そう思って、元々の偏見もあったが(過去記事参照)さらにハイローに近寄りにくくなっていた。
ところが、いざ観てみたらハイローはケアが段違いだった。毎話オープニングで主要キャラクターの顔と名前が全部丁寧に紹介される。あらすじもついてくる。その上チームカラーやスタイルで明確に判別できるように画作りされていた。
これは大所帯のグループをいくつも抱えるLDHならではの工夫と気配りだと思う。グループごとの特色をうまく引き出し、並んだときにもすぐに分かるようにできるスキル。経験と実績が作品にも反映されていた。
今、本当にもったいないことをしたと後悔している。ザムービー、スマホの小さい画面なんかじゃなくて映画館で観たかった。大画面で世界に浸りたかった。
観るチャンスはたくさんあったのに、なんとなく後回しにしてしまっていた。過去の自分テメーコノヤローである。
夏のイベントと映画は全力で楽しみたいので、全速力で追いつこうと走っている。
次はレッドレイン。
雨のちレインボーとなるのだろうか。