特撮オタクがハイアンドローを観始めたはなし

 

オッス!おらニート

 

時間だけは無限にありますので、昨日からついにハイローを観始めました。

今10話になるところです。

そこまで観てみて、どうしても吐き出したい想いがでてきて、気付いたらブログ開設ボタンを押していました。

時間だけは無限にありますので。

 

 

さて、わたしは一般社会から浮いているオタクなので、

「エグザイルってみんなオラオラしてて何かとサングラスを変なかけ方して金色のジャージとか着て深夜のドンキとかにたむろってそうだし、そのくせやたら繊細な歌声なのがこわい。すぐファンファンビーヒッダステーステーするし今までもこれからもずっと無縁だわ…」

と思っていました。偏見はよくないですね。

まあ人気グループだからそれなりに金はあるだろうとは思ってたけど、日本のアクション界もびっくりしちゃう(みんな大好き坂本監督が羨ましがってたと聞いた)レベルとスケールの映像をまさか深夜のドラマでやってのけているなんてこれっぽっちも期待や想像をしていなかったので、ハイローを1話観てみて、ぶっちゃけ相当度肝を抜かれたのでした。

 

LDH〜?ただのパリピとヤンキーの集まりでしょ〜?…(ハイロー視聴)…ジューーーシーーーーー(資金とやる気が)!!!!!!」

 

ハイローの見所は何といっても豪快で豪華な喧嘩のアクションシーン。

われわれ特撮オタクが慣れ親しんでいるヒーローのアクションは、必ず動きの中に山場とか決めポーズが存在していて、一連の動きでも「見せ場はここ!」と明確になっている。

それはメインターゲットの子どもに分かりやすく「かっこいいとはこういうこと」を伝えるためのテクニックだったり、大事な資金源となる玩具の販促だったりする。

いっぽう、ハイローの喧嘩アクションの構成は、不規則で変則的。売らなきゃいけない玩具もないので、わたしのようなビギナーはとにかくその映像の膨大な情報量からどこを観ればいいのか迷ってしまいそうにもなる。

でも、そこを抜群のカメラワークとチームごとの特徴ある戦いかた、絶妙なリズム感でカバーしている。
観る人それぞれが贔屓のチームに自然に目がいくように色や戦闘スタイルで誘導しつつ、またゴチャゴチャした乱闘シーンでも目が滑らないように作られているのが本当にすごい。

画面のすみずみまで各々が個性を出しているのに、息があった空間が作られている。

いつも観てる特撮のアクションが剣術や武術からの流れを汲んでるとして、ハイローの喧嘩アクションはそういう「型」のあるものというよりはダンスとかトリッキング、パルクールとかはっきりと形が決まってないもので構成されてて、

個々が「芸能事務所LDH」に所属してる自分の強みをすべて活かしつつ、雑然と混沌としているのに見せ場がわかる、魔法のような映像だった。

 

どうしてこんなにすごいことができるんだ?って考えてみて、結論から言えばまあ

「金があるから」
なんだけど、その金っていうのはただドラマそのものだけに金をかけているというだけではなく
技術がある人をあれだけの大人数集められるだけの信頼とか、そういうのの地盤となる金がきちんと潤滑に回ってるという意味での「金がある」だなって。

 

アクションって「特殊技能」なので、尊敬されて守られるべきなのに、舞台のアンサンブルとかスーツアクターとか表向きにはスポットライトが当たることがない人たちを、その「表向きに立つ人」たちが軽んじ過ぎているなと思うことが度々ある。

(今度観にいく舞台も主催がアンサンブルのことちょっと動けるエキストラ程度にしか思ってないのが客側からもありありと見てとれてたいへん怒っている)

でも現状、アクション俳優の待遇は、あんまりよくない。やればやるほど身体は壊れるのに怪我したあとの保障もない。撮影中の怪我での後遺症を自己責任とされてしまうこともあったとか。

怪我したら職を失うのが当たり前の業界なせいで、まだまだ動けて第一線で活躍してた人材が生活のためにアクションから身を引いていくことがたまにある。

それを我々はただのいち傍観者という立場で見守ることしかできない。本当に悲しい。

あぶねーことしてんだから怪我するにきまってんだろ!!!おまえはF1レーサーに事故るなって言うのかよ!!!

だけどLDHはとにかくまず金があり、優秀な人材を囲ってしっかり守って評価するシステムができてる。ハイローを少し見た限りだけど、組織の末端まできちんと価値のある商品として扱えてると感じる。

適材適所に人を回せる根があって枝があって、だから深夜ドラマの枠にあの規模の人間を用意できちゃうし、自分たちを見せれば見せるほど金を産むシステムがちゃんとできてる。

だから、LDHなら才能に溢れてるのに報われないアクションマンの光にもなりえるのでは…?と淡い期待すら抱けてしまうぐらいまぶしかった。

文字通り身を削ってがんばってる人たちがもっと報われてほしいし、もっと夢がある世界になってほしいよ〜〜!でっかい夢は無限大ってゴーカイジャーも言ってる!

(お前はいったいどこの視点でものを言っているんだというセルフつっこみもおいておく)

 

いろいろと脱線したが、ハイローは金があり、金があるから演者のモチベーションが上がってハイリスクでも迫力があるいい映像が撮れるし、セットも環境も機材もカメラワークも凝りまくれている。

でも基本ヤンチャな男どもが作ってるから、詰め込まれてる熱量に負けないくらいストーリーが明快で引き込まれる。

トーリーがぶっとい一本道すぎてあらゆる裏読みや考察を轢きたおして爆走していくの最高では?基本的に他人との解釈違いが起こりにくいシステムやばない?優しい世界?夢の国?

「伏線だとか隠されたメッセージとかそんなよくわかんねえとこほじくりまわしてないでとりあえず派手にキメてる俺たちを見ろ!!!!」という熱い気持ちが100000%伝わってくる。最高だ。

日頃のモヤモヤがキャラクターの拳にのって飛ばされていく快感。スピード感。考えるな、感じろという展開。

そしてどのキャラクターも完全な悪者にならないように愛される余地をたくさん作ってあって、ありがてえ…という気持ちでいっぱいになった。感謝…

ラブドリームハピネス。

本当にこれらが詰まっている。

 近ごろの△のサブキャラクターの使い方があまりに雑すぎて、時には生死まで乱雑に扱われる事に心をいためていたオタクはハイローに救いを感じた…。

 

ハイローを観るきっかけになったフォロワーさんが言っていた。

LDHは払ったぶんをしっかり還元してくれるのを実感できる」

それってほんとにすごいことなんだ。

今それをやってるのはLDHと、あとたつき監督ぐらいしかいないんじゃないか。たつき監督はもう少し休んで。スコシオサエテ

 

 

なんだかんだ話が逸れてるけど、「とにかくなんかよくわかんないけどかっこいい、脳が理解する前に好きだと思えるものがこんなところに…?」というのが10話まで観た印象でした。ほんとに偏見とか食わず嫌いは人生において大きな損失だなあと実感。

てかまだ10話なのにこんなに感動してるんだけど最後まで観たらどうなっちゃうの!?死ぬ!?スコシオサエテ!!!!

 

 

また完走したあたりにだらだらと感想を書きにきます。毎週フリースタイルダンジョンを観ているので韻を踏んでしまった。おやすみ!